大判例

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東京高等裁判所 昭和27年(う)3569号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

(爭点)

「被告人は甲と金品を強取せんことを共謀の上、甲において履面し西洋剃刀を携えA方勝手口から押入り家人に右剃刀をつきつけ脅迫し金品を強取した」との起訴に対し、原判決は右犯行に於て被告人が見張りを担当したことを判示している。そこで論旨は起訴状には何ら見張りの点は記載されていないから審判の請求を受けない事件につき判決をした違法があると主張する。

(判旨)

斯る場合に於て審理の結果相被告人が強盜の実行行為を分担している際、被告人が見張りをしていたことが判明した場合には自由にその旨の認定をして差支えないし勿論此の場合訴因の追加変更は必ずしも必要でないのである。即ち見張行為は強盜罪に於てその構成要件自体の実行行為とはいえないから共謀に基く強盜罪の起訴並に判決に於ては必ずしも之を摘示する必要はなく、要は共謀に基く犯行を何人が遂行したかを明示すればよいのであり、見張りをしようがしまいが共同犯行の責任を免れることはできないのである。此の意味に於て本件起訴状が被告人の見張行為を特に訴因として掲げなかつたこと、原判決が審理の結果被告人が本件共同決行の遂行された当時見張りをしていたものと認め、之を事実摘示に掲げたのは共に肯われるのであり、以上を目して審判の請求を受けない事件につき判決をした違法があると論ずることはできない。

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